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自由貿易は安全保障と平和を強化する
―― TPPを捉え直し、実現するには

ヘザー・ハールバート ニューアメリカ プロジェクトディレクター

The Security Case for Trade ―― Why We Need to Reframe the TPP

Heather Hurlburt シンクタンク「ニューアメリカ」のプロジェクトディレクター(政策見直しの新モデル担当)。ホワイトハウスや国務省、米議会での勤務を経て、現職。クリントン大統領、オルブライト国務長官のスピーチライターを務めた。

2016年12月号掲載論文

アメリカは歴史的に自由貿易と平和を結びつけ、貿易障壁と戦争を結びつけてきた。大恐慌(とその後の長期不況)そしてヨーロッパにおけるファシズムの成功は、1930年代の関税引き上げと保護主義が大きな要因だったと考えられてきたし、冷戦終結後も、貿易は相手国の社会を変貌させ(市場経済と民主主義を定着させるので)国際的平和の基盤を提供すると考えられてきた。しかし、いまや中国を中心とする貿易枠組みが、欧米の貿易枠組みに取って代わっていくとみなされているというのに、アメリカ人は、貿易のことを、国内の雇用保障、民主的な統治、そして世界の労働者の権利、公衆衛生や環境の保全を脅かす脅威と考えている。経済安全保障と国家安全保障が不可分の形で結びついているというコンセンサスを再構築する必要があるし、安全保障面からも貿易を促進する必要があるという議論を、現在の懸念に配慮したものへと刷新する必要がある。

  • オバマは何を間違えたのか
  • リンケージ論の歴史的変遷
  • 民主的平和論の挫折
  • 貿易政策と中国
  • TPPとアジア・リバランシング戦略
  • 貿易・安全保障モデルの近代化を

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